AGA(男性型脱毛症)による髪の薄さや脱毛の悩みといった問題は、一刻も早く解決したいと多くの患者様がお思いになっていると思います。しかし、後悔のないAGA治療を受けるためには、慎重な計画と選択が必要です。信頼性のある医師やクリニックを選びましょう。医師の専門知識と経験は治療の満足度を引き上げます。また、自分の予算やライフスタイルに合った治療方法を選択しましょう。1つの方法が他の方法よりも優れているわけではありません。治療の選択は個人に依存します。そして、治療の過程で現実的な期待を持つことが大切です。
AGA治療には費用と時間がかかり、即時効果はありえません。後悔のない治療を受けるために、情報を収集し、疑問を解消することも忘れずに行いましょう。AGA治療に成功する道を歩むため、当院で扱っている薬剤を中心に、主要な治療方法をおさらいしておきましょう。
選択肢①:毛量を増やす
髪の毛の全体量を増やしたい場合、ミノキシジルの使用が効果的です。毛包周辺の血管を拡張する効果があり、これにより毛根に酸素や栄養素がより多く供給され、髪の成長が促進され、結果として薄毛の改善に役立ちます。
ミノキシジルには経口摂取する錠剤タイプと直接頭部に塗布するタイプがあり、それもまた選択肢のひとつといえます。
錠剤タイプは体内に吸収するぶん自ら頭部に塗布するよりも効果が表れやすいですが、体全体に成分が行き渡るため髪の毛のみにピンポイントで効かせるのは難しく、他の部分の体毛も一緒に濃くなるケースが報告されています。
一方の塗布タイプは髪の毛のみに作用させられる他、店頭でもよく見かけられ(『リアップ』が有名)、日常生活に簡単に組み込むことができます。洗髪後やスタイリングの前後に使えるため、治療が煩わしくない点が魅力です。
両者に共通するミノキシジル全体の主な副作用としては発毛サイクルの変化による初期脱毛があります。そのため最初は「薬を使い始めたのに毛が抜ける」という本末転倒な事態が起こるケースがあります。しかしそれは栄養素の行き届いていない悪い毛が抜けているだけで、使用を続けていれば強く健康的な髪の毛に生え変わっていきます。効果の実感までにかかる時間は早くて3〜6ヶ月と言われていますが、ご満足いただけるまでには基本的に1年以上はかかると想定した方が良いでしょう。忍耐が必要であると理解し、定期的に使用を続けることが重要です。
錠剤タイプのミノキシジルについて ↓

選択肢②:抜け毛を減らす
毛が抜けるのをなんとかしたいという方には、プロペシアやザガーロの使用がおすすめです。
プロペシアはフィナステリド、ザガーロはデュタステリドという成分を含み、これらの成分は男性ホルモンであるジヒドロテストステロン(DHT)の生成を抑制する作用があります。 DHTは声変わり、性器の発達など男性の発達・成長に関わるホルモンではありますが一方でAGAの主要な原因とされており、発毛サイクルに悪影響を及ぼすことがわかっています。プロペシアやザガーロの使用はDHT生成の制御を助け、脱毛を遅らせることができます。
プロペシアは主に前頭部や頭頂部、ザガーロはより多くのDHTに関与できるため頭部全体のAGA症状に作用します。症状の範囲に合わせて選ぶのも良いですが、ザガーロは前頭部や頭頂部においてもプロペシアを上回る効果を発揮します。二つを併用することはできないので、これらに関してはどちらかを選ぶことになります。
両者に共通する主な副作用としては性欲の減退があります。バイアグラ等のED治療薬との併用は可能なので、ライフスタイルによっては視野に入れる必要があるかもしれません。なおこちらにおいても効果の実感およびご満足いただけるまでにかかる時間は基本的に1年以上と想定した方が良いでしょう。
ザガーロ(デュタステリド)について ↓
選択肢③:①と②を併用する
ミノキシジルとプロペシア、もしくはミノキシジルとザガーロの組み合わせであれば併用は可能です。抜け毛だけでなく全体量の少なさにも悩まれている方にとっては朗報と言えます。抜け毛は抑えつつ発毛も同時並行で行っていく、まさに黄金パターンです。しかし当然ながら、費用的なコストはより大きくなります。
無理なく併用できる当院オリジナルのカクテル療法について ↓
選択肢④:投薬を除くなら
薬を使わない治療であれば、植毛手術を受ける手もあります。近年では自身の組織から頭部へ毛を移植する術式も確立されているようですが、手術痕が濃く残るなどの問題点も指摘されています。
規則正しい生活を送るのも効果的といえば効果的ですが、これまで挙げてきた治療法に比べれば何倍もの時間がかかるうえに、「AGAの原因が生活リズムによるものだと明確にわかっている場合」でなければ効果の実感も難しいです。