早漏治療薬パキシル(一般名:パロキセチンPAROXETINE)
パキシルとは

パキシル(一般名:パロキセチン)はイギリスのグラクソ・スミスクライン社によって開発されたSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)に属する薬剤で、日本ではうつ病、パニック障害、社会不安障害の適応が認められています。ED治療薬、早漏治療薬を処方するクリニックで「従来の早漏症薬」などと記載されている薬剤です。
本来パキシルに早漏症の適応はありませんが、副作用として射精障害があることから、早漏症治療薬、プリリジー(ダポキセチン)が登場するまでは多くのクリニックで使用されていました。現在ではプリリジーの処方が主流となっており、プリリジーで効果が得られなかった方に処方される2番手の薬剤という位置づけとなっています。
パキシルの効果
一般的に性行為のおよそ5時間前の服用で、4~6人に1人程の割合で30秒から1分半程度、射精時間を延長する効果が報告されています。海外におけるパキシルを用いた早漏症治療のデータでは治療開始前のIELT(膣内挿入後から射精までの時間)が平均で24秒だった被験者が4週間、性交5時間前のパキシル20mg投与で34~90秒に改善され、早漏症の改善率は10~30%と報告されています。
今や代表的な早漏治療薬として用いられているプリリジーは60mg内服で約75%の方に4分以上の延長効果が認められており、その圧倒的な延長効果時間からプリリジーの処方が主流となっているのは事実ですが、パキシルについても一部の方にはしっかりとした射精時間の延長効果が認められること、適応外ながら、ある程度の処方実績を持つことなどから、ユナイテッドクリニック名古屋院では取り扱いを続けております。
パキシルとプリリジー(ダポキセチン)の併用はできません
パキシルとプリリジーは同じSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)ですので、併用はできません。また、他のSSRIやSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)、三環系抗うつ薬を服用されている方、または服用を中止してから14日以内も併用禁忌となるため注意が必要です。
正しい早漏治療ができないクリニックに注意してください
早漏治療において主流となっているプリリジー(ダポキセチン)やリドカインスプレーではなく、前立腺肥大症の治療薬、ユリーフ(シロドシン)や癌性疼痛の適応であるトラマール(トラマドール)を早漏治療薬として処方しているクリニックがあります。ユリーフには逆行性射精の副作用が100%生じ、射精感を得ることが出来ません。また、トラマール(トラマドール)には依存性があることで知られています。
正しい早漏治療を行っていない危険なクリニックにご注意下さい。